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今日も台ふきんで菌が増殖中!?アルコール除菌でバッチリ対策

夏場、家庭の放置された台ふきんで何が起こっているのか。使い終わってよく洗ったつもりの台ふきんでも、わずかに菌や汚れが残っていると菌は増殖してしまいます。そこで、台ふきんの表面上でどのように菌が増殖しているかを実験、その対策方法をご紹介します。(衛生微生物研究センター2011年春調査)

実験協力機関 : 衛生微生物研究センター

衛生微生物研究センターは、汚染微生物分析試験、保存効力試験(チャレンジテスト)、微生物限度試験、抗菌抗カビ試験、カビ抵抗性試験、最小発育阻止濃度(MIC)試験、空中浮遊微生物分析試験、一般生菌数測定試験、消臭試験、その他の微生物関連試験などを行っている民間の研究機関です。

李 憲俊(リ ノリトシ) 先生
衛生微生物研究センター 所長

李 憲俊(リ ノリトシ) 先生

韓国国立忠南大学助教授、 (財)食品薬品安全センター秦野研究所微生物学研究室を経て、1996年に衛生微生物研究センターを開設。研究分野は、「環境および各工業製品の汚染微生物の分布や特徴」「各工業製品の汚染、劣化防止法」「抗菌・抗カビ試験方法の改良」など。

実験1「一般的な洗い方をした台ふきん」をそのまま放置したらどうなるか?

まず「一般的な洗い方をした台ふきん」を用意します。下記3種類の台ふきんに、ごく微量の食中毒原因菌(サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌)と栄養分(肉汁)を付着させ、真夏のキッチン環境を想定し台ふきんの生菌数が時間の経過でどのように増えるのかを測定しました。

ふきん①
水道水で洗ってしぼった台ふきん
ふきん②
水道水で洗った後、室内で一夜干した状態の台ふきん
ふきん③
市販台所用塩素系漂白剤に一晩つけ置きし、水道水ですすいでしぼった台ふきん

一般家庭では使用済みふきんを軽く水洗いしても、栄養分(肉汁や食べカスなど)や菌を完全に除去できないことを再現しました。ふきん③は一般的には台ふきんの塩素消毒は週1回程度とされているため、消毒後一回使用したと仮定した台ふきんを再現しました。

環境条件 : 温度30度、湿度65%

家庭のエアコンの温度設定が28℃であると想定。一般家庭のキッチンの特徴として、①エアコン本体からキッチンが比較的離れている家が多い、②調理の際に火を使う、③水場でもあり湿度が高い、といった状況を鑑みキッチン周辺の温度を28℃よりやや高い30℃、湿度65%と仮定しました。

測定方法 : 0、4、8、12、16、24時間後の生菌数を、希釈培養法を用いて測定

希釈培養法とは、濃度不明の生菌を含む試料を希釈し希釈した試料から0.1mlずつ取り出して培地に塗布。培養して各濃度ごとに生菌数(コロニー)を計測し元の試料に含まれていた菌量を算出する方法です。

実験結果たった数個の菌が台ふきんに残っているだけで、24時間後には数百万個に!

数個の菌と栄養分が付着するだけで、塩素系漂白剤で消毒済みの台ふきんを含めた全ての台ふきんで食中毒原因菌の急激な繁殖を確認。
食中毒原因菌は、4時間で10倍〜60倍、12時間で900倍〜8000倍に増殖!

※ 今回の実験では、微量の菌と栄養分を台ふきんに付着させていますが、一般家庭の台ふきんの環境条件によっては、最初から大量の菌や栄養分が付着(残留)しており、実験結果より急速に菌が増えることもあります。

サルモネラ菌の生菌数の変化

  0h 4h 8h 12h 16h 24h
ふきん
12 180 800 31,000 3,800,000 6,100,000
ふきん
8 190 3,000 66,000 1,000,000 5,000,000
ふきん
10 200 5,300 10,000 2,200,000 2,500,000

黄色ブドウ球菌の生菌数の変化

  0h 4h 8h 12h 16h 24h
ふきん
18 250 1,900 21,000 66,000 290,000
ふきん
21 450 1,300 21,000 63,000 370,000
ふきん
18 270 2,100 33,000 87,000 300,000

大腸菌の生菌数の変化

  0h 4h 8h 12h 16h 24h
ふきん
9 630 4,700 18,000 830,000 3,300,000
ふきん
10 510 4,700 15,000 790,000 1,800,000
ふきん
13 110 5,800 21,000 720,000 2,700,000

実験2汚れた食卓の食中毒原因菌をどのように拭いたら除去できるのか?

実験にあたり「5種類の台ふきんを用意」を用意しました。①~④には微量の食中毒原因菌(サルモネラ菌/黄色ブドウ球菌/大腸菌)を付着させ温度30℃・湿度65%の環境下で24時間経過させています。それらの5種類のふきんで一般的な汚れた食卓を拭き、食卓に残った生菌数を測定することで、食卓から食中毒原因菌が除去できているのか確認します。

ふきん①
水道水で洗ってしぼった台ふきん
ふきん②
水道水で洗った後、室内で一夜干した状態の台ふきん
ふきん③
市販台所用塩素系漂白剤に一晩つけ置きし、水道水ですすいでしぼった台ふきん
ふきん④
ふきん②に「市販のアルコール除菌剤」を吹きかけたもの
ふきん⑤
食中毒原因菌に汚染されていない乾いた台ふきんに「市販のアルコール除菌剤」を吹きかけたもの

汚れた食卓の生菌数 : サルモネラ菌52万個、黄色ブドウ球菌18万個、大腸菌16万個

見た目や臭いでは腐っているかどうか気づかない程度に菌が増えた食品を食卓にこぼしたものと想定した菌数です。

測定方法 : 拭いた食卓面10cm×10cmを、滅菌綿棒で拭きとったものを試験試料とし、希釈培養法を用いて食卓面上の生菌数を測定

実験結果使用直前に「アルコール除菌剤」を吹きかけて拭いた台ふきんでのみ、食中毒原因菌を0に近い状態まで除去できた。

水拭きは菌を「とりきる」ことはできない
今回の実験は、一般家庭で汚染された食品を食卓にこぼしたものと想定しています。ご家庭でこぼした食品を水拭きで拭きとる場合、汚れを全てふき取ったように見えますが、実際は食品に付着していた菌をとりきることはできず食卓に残っています。実験結果からも水拭きでは食卓の菌をとりきることができなかったことがはっきりと示されています。
アルコールで拭くことが水拭きより有効
アルコールは、大腸菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌のような食中毒菌に対して短時間で殺菌力を発揮します。使用後洗って一夜干しした台ふきんでも、アルコールを噴霧することで新品同様の台ふきんを使った場合と同じく高い除菌力を発揮しました。またアルコール拭きのメリットは、水拭きのように水分が残らない点です。拭いた場所を瞬時に乾燥させることで菌の発育に必要な水分を取り除き、繁殖を防ぎます。ただしアルコールの除菌力は持続性がないので、アルコール拭きを毎日行うと大変効果的です。

食卓(10cm×10cm)に残った生菌数

※ 一般的な4人がけの食卓の大きさはおよそ120cm×80cm(実験で採取した食卓面の約100倍)です。

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